gauche.termios
- 端末の制御 ¶このモジュールは端末の制御のための手続きを提供します。 Unix環境では、低レベルAPIはモジュール名からわかるように POSIX termiosへのインタフェースを提供しています。 さらに、このモジュールでは、システムがサポートしている場合には 擬似 tty のインタフェースも提供しています。
Windowsネイティブ環境ではPOSIX termiosインタフェースは使えません。
Windows console APIは大きく違っているので、意味のあるエミュレーションを
提供するのが難しいためです。低レベルのWindows console APIは
os.windows
モジュールで使うことができます(os.windows
- Windowsのサポート参照)。
ただし、このモジュールの高レベル端末制御手続きは、
Windowsネイティブ環境でも使うことができます。
• POSIX termiosインタフェース: | ||
• 共通の高レベル端末制御: |
ここに挙げる手続きは、機能シンボルgauche.os.windows
が定義されていない
場合にのみ利用可能です。機能シンボルによってコードを切り替える方法は
機能条件式のcond-expand
を参照してください。
{gauche.termios
}
POSIX termios(7) の構造体です。
<sys-termios>
: iflag ¶<sys-termios>
: oflag ¶<sys-termios>
: cflag ¶<sys-termios>
: lflag ¶<sys-termios>
: cc ¶iflag
、oflag
、cflag
、lflag
の各スロットは、
対応するビットマスクを非負の整数で表現した値を保持しています。
また、cc
スロットはstruct termios
のc_cc
配列の
コピーを返します。
c_cc
配列の値を変えたい場合は、変更したu8vectorを明示的に
cc
スロットにset!
して下さい。
このセクションを通じて、引数 port-or-fd はポートオブジェクトか
システムのファイルディスクリプタを表現する小さい整数かのどちらかです。
portがシステム端末に結びついていないければ、エラーになります。
(sys-isatty?
を使えばportが端末と結びついているか
どうかチェックできます。 他のファイル操作参照)
{gauche.termios
}
port-or-fd と結びついている <sys-termios>
オブジェクトの
端末パラメータを返します。
{gauche.termios
}
port-or-fdと結びついている端末のパラメータを termios に設定します。
termios は <sys-termios>
のインスタンスでなければなりません。
整数の引数whenはいつ変更を有効にするかを指定します。 この引数用に3つの変数があらかじめ定義されています。
{gauche.termios
}
ゼロストリームを指定した時間、port-or-fdと結びついている端末に
送出します。時間の単位はシステム依存です。詳しくは、お使いの
システムのマニュアルページ tcsendbreak(3)を参照してください。
{gauche.termios
}
port-or-fdへのすべての出力が送出されるまで待ちます。
{gauche.termios
}
port-or-fdのバッファ内のデータを破棄します。queueには以下の値の
どれかを指定します。
{gauche.termios
}
port-or-fdのデータフローをactionで制御します。actionは
以下の値のうちどれかです。
{gauche.termios
}
port-or-fdの結びついている端末のプロセスのグループIDを返します。
{gauche.termios
}
port-or-fdの結びついている端末のプロセスのグループIDをpgrpに
設定します。
{gauche.termios
}
termios内の入出力スピード(ボーレート)を取得/設定します。スピードは
以下の定義ずみの数値で表現されてます:
B0
、B50
、B75
、B110
、B134
、
B150
、B200
、B300
、B600
、B1200
、
B1800
、B2400
、B4800
、B9600
、
B19200
、B38400
。
もっと速いボーレート、たとえば、B57600
、
B115200
あるいは B230400
をサポートしている
システムもあります。symbol-bound?
をつかえば、これらの
オプションが定義されているかどうかをチェックできます。B0
はコネクションを終了するのに使われます。
{gauche.termios
}
擬似 tty のペア、マスターとスレーブをオープンし、2つの
ファイルディスクリプタの整数を返します。オプション引数 term
が渡される場合は、<sys-termios>
オブジェクトでなければなりません。
これは、pty パラメータを設定します。
open-input-fd-port
とopen-output-fd-port
の両方またはどちらか
を返されたファイルディスクリプタに対するポートを生成するために使うことが
できます(ファイルポート参照)。擬似端末の名前を得るには sys-ttyname
を使います(他のファイル操作参照)。
この関数はシステムが openpty(3)
をサポートしている場合にのみ利用
可能です。
{gauche.termios
}
擬似 ttyのペア、マスターとスレーブをオープンし、スレーブ sty を
ログイン端末になるよう設定し、fork(2) します。
二つの整数、最初の値は親プロセスに対しては子の pid の値で、0ならば 子プロセスです。ふたつ目の値はマスター pty のファイルディスクリプタの 値です。
オプション引数 termが渡される場合は、それは<sys-termios>
オブジェクト
でなければなりません。これはスレーブ pty のパラメータを設定します。
この関数はシステムが forkpty(3)
をサポートしている場合にのみ利用
可能です。
注意: sys-forkpty
にはsys-fork
と同様のマルチスレッドハザー
ドの危険性があります。(詳細についてはプロセス管理参照
してください)。マルチスレッドプログラムでは後述の
sys-forkpty-and-exec
を利用してください。
{gauche.termios
}
sys-forkpty
して、ただちに指定したcommandを引数
argsで子プロセスでexec
します。この関数にはマルチスレッド
環境でもハザードを起こしません。
引数command、args、iomap、sigmaskの意味は
sys-exec
のものと同じです。(プロセス管理を見て
ください)。キーワード引数termが与えられれば、スレーブptyの初期化
に使われます。
{gauche.termios
}
iportが端末につながった入力ポートである場合、
端末をエコーしないモードにしてprocを呼びます。procには
iportが引数として渡されます。
procから戻るか、procがエラーを投げた場合に、
端末は元のモードに戻されます。procからの戻り値がwithout-echoing
の
戻り値となります。
portに#f
を渡すこともできます。その場合、
この手続きは標準の端末 (Unixでは/dev/tty
、WindowsではCON
)を
オープンし、そにこつながった入力ポートを引数にprocを呼び出します。
標準の端末がオープンできない場合はエラーが投げられます。
iportが上記のいずれにも該当しない場合は、単にprocをiportを引数にして 呼び出し結果を返します。 例えば、端末からエコーなしでパスワードを読むのと、 リダイレクトでパスワードが流し込まれるのとを、区別せずに処理できます。
註: 実装上の問題から、Windowsでは、iportが#f
もしくは
端末につながっている場合、常に標準入力ハンドルのモードが変更されます。
{gauche.termios
}
走っているGaucheがWindowsネイティブで、プロセスが端末を持っている場合に#t
を
返します。Unixプラットフォームでは常に#f
が返されます。
この用途にcond-expand
は不適です。というのも、Windowsプログラムは
端末なしで起動した後に端末をアタッチする、といったことができるからです。
詳しくはWindows console API参照。