WiLiKi:Design:Original
(註: これはWiLiKi作成開始時の企画メモとして書きはじめたものです。 その後、こういうシステムが必要とされていた企業を離れたので、 WiLiKiもあまり高機能を指向しなくなってしまいました。 ここに挙げられた機能が近いうちにWiLiKiに実装される可能性は低いです。 この文書自体は、一応、記録のために残しておきます)。
- ((戯)(でも履歴&差分は欲しいなぁと思ったりします。特にこういうキチンとした内容(しかも自分が明るくない分野(笑)の内容)で推移してるサイトでは、欲しくなります。))
WiLiKiの目標
WiLiKiは、イントラネットでのドキュメント作成・管理へと目標を絞ったWikiClone です。特に次のような環境を想定しています。
- 日本語と英語など、マルチリンガルなドキュメントが必要とされ、しかもそれが 頻繁に更新される。
- ある程度(100〜200人)の規模があり、その中で小グループに分かれている。 グループ内のみで必要な情報と全体で共有すべき情報がある。 グループ内のみで必要だった情報を全体で共有するように変更したり、 全体で共有されている情報にグループローカルな情報を付け加えたりという 変更が頻繁に必要になる。
- 変更が多いため、一人のドキュメント担当者が最新情報を常に把握しておくのが 困難である。
特定の担当者が文書を作成し、Webにパブリッシュするという管理形式は、 扱う総情報量の増加に対して追従できません。一方、情報の発信を各個人に 任せた場合、最新情報が一番必要とされているときに本人が本来の仕事に 忙殺されてドキュメントの変更まで手が回らないという事態になりがちです。
読む人誰もが、情報が古くなったことに気づいて修正したり、手が空いた時に 未訳の文書を翻訳したり、そういったことが出来るWikiは変化の多い環境に 適しています。
しかし、オリジナルのWikiにはいくつか必要な機能が欠けていました。
- 多国語への対応。と言っても現状では、クライアントの対応も含めて多国語を
きちんと扱うのは困難です。ただ最低限、上記の翻訳の問題があるので、
英語と日本語は扱いたいという要求があります。多国語化の問題は更に
次のように細分化されます。
- 各種メッセージのローカライズ。
- 単一ドキュメント内に多言語を混在させ、表示時、編集時それぞれについて 必要な言語だけを選べる機能。
- 履歴管理。事故などで重要な文書が失われることを防ぐほか、 「最新情報」でなく「ある時点での情報」が重要な意味を持つ場合があります。
- 権限の管理。ドラフトの文書は誰にでも変更できて良いが、最終形、 あるいはマイルストーンとなる文書は変更が大きな影響を持つので変更を制限したい、 というような需要があります。本来のWikiの精神には反しますが、 個人が全貌を把握するのは不可能であるという状況において、 気軽に変更してよい情報とそうでない情報の選別を誰もに期待するのは難しいことです。 システム側にそのようなセフティネットがあれば、参加者は安心して オーサリングプロセスに関わることができます。
- ページのグルーピング。すべてのページが対等なネットワークは柔軟性が ありますが、ページ数が増えるにつれ全体像が見えにくくなります。 ツリー状にページを整理できれば、全体像を把握しやすくなるだけでなく、 権限を分割して管理できるようになります。 完全なツリーでは縛りがきつすぎるので、シンボリックリンクみたいな 概念もあると良いかもしれません。
- 複数のバックエンドデータベース。ドキュメントによって管理方針や使用パターンが 異なれば、必要となるバックエンドのデータベースに対する要求もそれぞれ 異なってきます。
- テキストだけでなく、図などもWiki的に編集してみたい。
WikiCloneの中にはこれらのいくつかを解決した非常に高機能なものも ありますが、いろいろ実験するのに便利なので結局スクラッチから書いてしまいました。
(more to come)