Shiro:log:2003前半

Shiro:log:2003前半

Shiro


(2003/06/29 04:43:55 PDT): 次の文を読んで、問いに答えよ。

 「オブジェクト指向言語でなければ大規模ソフトウェアは作れないのだろうか。もちろん答えはNoだ」

問題:上の文の筆者の真意はどちらか。

最近いくつか続けて似たような記述を見て強い違和感を感じたので。 「オブジェクト指向云々」の部分は何でも良くて、 違和感があるのは「〜ないのだろうか。答えはNoだ」の方。

たぶん筆者は、日本語の感覚で、「〜作れないのだろうか、否、作れる」と 言いたいのだろうな(A)、と想像する。しかし、ここで英語の"No"という単語が 意味するのは、"No, you can't"、「作れないのだ」という(B)の意だ。 上のような文を見るとその両方の解釈が同時に見えて、混乱する。

否定疑問文に対するyes/noは日本人には難しいところだと思う。 米国に来て2〜3年は自分も良く間違えていて、"Yes, ah... I mean no" のように言い直すことがあった。 それが、ある時点から、"Yes"/"No" という単語にくっついている イメージが、日本語の「はい」「いいえ」というイメージと分離した。 "No" と聞いたらそれは発言者が "No, I don't" とか "No, you can't" とか 言っているのだ、ということが考えずに浮かぶようになった。

一度この感覚の分離が起こると、戻すのは不可能だ。 上の文で言えば、「〜作れないのだろうか」という時点で自然に反語表現を 期待するのだけれど、"No" という単語を見たら反射的に「ああ作れないのか」 と思うので、「あれ?」となる。頭では「これは『作れる』と言いたいんだろうな」 と考えても、感覚がそれを受け付けない。

「もちろん答えは否だ」と書いてあれば何も問題はない。

(2003/06/27 01:48:26 PDT): ハワイ大学にて、SIGGRAPH Honolulu Chapterのミーティングで 喋ってきた。が……今、大学は夏休みのせいだろうか。 聴衆は主催者入れて6人。広い会場がやけに寒かった。 思えばILC2002の講演も、レセプションの翌朝一番(8:00am)で、 6〜7人に向かって喋ったな。

(2003/06/22 02:15:04 PDT): Beginning Acting 3回目。

今度の木曜日の SIGGRAPH Honolulu chapter meetingは、 ILC2002のやつと、未踏のやつを混ぜて喋る予定。 早めにスライド作っとかないと。

(2003/06/15 04:56:52 PDT): Beginning Acting 2回目。

昨日のトラブルは電源だけでなく、どうもマザーボードもいかれた模様。 どちらの不良が引き金だったかわからないが。もともとPen3-450MHzのマシン だったし、そんなに投資する気もないのでマザボだけ替えられないかと 思ったんだが、今時ATのボードを置いている店は無いみたい。 ATXでも安いのは安いんだけど、そうするとケースもCPUもメモリも 総取っ換えになる。うーむ。

新マシンはとりあえず保留にして、メインマシンに防火壁の設定をして ルータも兼用させよう。ディスクはそのまま移せばいいし。んが。 使ってた2.4.19カーネルに必要なモジュールがいろいろ欠けてて はまる。

ばたばたしてたらすっかり忘れてた。予定納税の期日がもう来週月曜じゃないか。 voucherを印刷しようとしたらインク切れ。うぐ。 どっちにせよもう週明けに出すしかないわけだが。 あれは月曜必着かなあ。月曜に出したらペナルティか?

(2003/06/14 03:09:37 PDT): サーバ&防火壁に使ってるマシンが突然リブートを 繰り返すようになった。電源が不安定っぽいので (年代もののAT電源である)、 試しにComp USAでATX電源を買って来て取り換えてみた…ん? 電源が入らん… 配線を何度も確かめて、マザボのマニュアルを何度も読み返し、 トラブル事例をぐぐってみたがどうもよくわからない。 電源の出力ラインを測ってみたら、5V stand byのラインに 電圧が出てないじゃん! 初期不良じゃん! はぁ。明日交換に行かなくちゃ。

(2003/06/08 01:48:43 PDT): 日本を離れてからすっかり芝居に御無沙汰で、舞台が 恋しくなってきたので、 地元の劇場がやってるSummer Theater Classから Beginning Actingのコースを取ってみた。→Shiro:BeginningActing

(2003/06/07 03:08:33 PDT): いけね。時差を忘れてた。 Unix User 7月号に 「使って遊ぶ! GaucheによるSchemeスクリプトプログラミング」という 記事を書いています。 コメントや質問等はShiro:UnixUser0307にどうぞ。

(2003/06/06 17:46:13 PDT): ukai:みんなの考えたオープンソース/.Jにて話題になってるけど、 ナイーブな意見の多いこと。 恥をかくことを恐れていたり嫌がっていたら成長できない、とか、 プライベートな範囲を超えて何かをするときは必ず「めんどくさいこと」 がついてくる、とかいう前提さえも共有できてないような気がする。 傷つけ合うことを極度に恐れ、声をあげる人間は「そういう類の人」とされる。 成長しなくても良い社会、責任をとらなくても良い社会、 そういうのが望みなのだろうか。

そんな社会が本当にあって、その中だけで生きてゆけるなら、 それはそれで幸福なことかもしれない。 自分で声をあげ、行動しなければ潰されてしまう社会で生きて来た連中には、 到底かなわなくなるだろうけれど。

(2003/05/28 00:11:24 PDT): 「モナーはFlashに乗って海を渡る」、数ヵ月前に元square usaメンバーのMLにurlと "Any translations would be appreciated." ってメールが流れて、 いったいどっから知ったんだとか思いながら歌詞を訳したりしてたんだが、 こういう背景があったのか。

(2003/05/23 12:23:42 PDT): 「オブジェクトの広場」のインタビュー、 キングの話だのハワイの話だのばかりで、 肝心のオブジェクトの話をほとんどしてないことに気づいた。 記事中で出てきた、Lispで書かれたモデリング・アニメーションツールである Geometryに関してちょっと書いておこう。→Lisp:Geometry

南の島でノンキにしている私からみれば、 次々と新しいアイディアを形にしてゆく 貴方 の方がよっぽど凄いですハイ。 インラインホッケーは、チームメイトのほとんどがちりぢりになってしまってから、 ずっとやっていません。今やったら1分で息切れすると思う。 当地の時間泥棒は 日本より少ないと思います。が、気がつくと年月が過ぎさっているので、 どっかに時間を落っことしているような気がします。

(2003/05/20 00:44:42 PDT): 3D Maxのスクリプトを開発した人は Lisperかな。あるいは何かのFPerか。シンタックスは普通のスクリプト言語風 (何じゃそりゃ)だけど、実は全部が式だったり、関数がfirst classだったり、 シンボルがあったり、マッピングをあたりまえのように使ってたり、 多値があったり、なんとなくそんなニオイがする。 そこまでやっといてクロージャが作れないのはちょっと解せないが… 環境をスタックのみに置く簡便さを取ったのかな。 ま、MayaのMelより100万倍くらいマシじゃ。

(2003/05/06 00:17:07 PDT): yomoyomoさんからまたふられるかも、なので先回りして。 Paul Grahamの新作Hackers and Painters の翻訳は近いうちに出します。 ちょっと別の〆切を抱えてるのでその後になりますが。

Paul Grahamは絵画、Richard Gabrielは詩をやってたわけだが、 即時性のパフォーマンスの方が好きな自分には、 肯けるところもある一方で、考えてしまうところもあるな。 大きな枠組では同じだけれど…

ハッキングには音楽の演奏や芝居の演技に対応するものは あるのだろうかしらん。

(2003/04/26 22:40:34 PDT): ちょっと特殊なプロセッサのアセンブラを書いてしこしこ チューニングしている。 各命令のレンテンシとレジスタの依存関係を考えて 最適化してゆくのはパズルにも似てかなり中毒性が高い。 特に最初のうちはベンチマークで結果が目に見えるし。 危険な領域だ。気がつくとひとつのルーチンに半日費したりしてしまう。 ここはひとつ、最適化コンパイラを書かねば。

International Lisp Conference 2003のアナウンスが出た。 今年はニューヨーク。どーしよーかなー。

(2003/04/19 14:49:39 PDT): あおきさんのところとか、sheepmanさんのところではやってるので、ぼくもやってみようっと。 Scheme:たらいまわしべんち

(2003/04/09 22:44:10 PDT): Square USAのopus posthumeとなった The Final Flight of the Osirisを大スクリーンで (現在、"Dreamcatcher"と併映されている)。 アウトプットを出すことは重要だよな、とか思いつつ観てた。

(2003/04/06 12:17:09 PDT): Alan Kay曰く、"[LISP is the] greatest single programming language ever designed."

(2003/04/02 22:58:27 PST): メモ:Ruby/CHISE。 文字列のサブセットをエンコードされた文字として扱うのはどうなのかなあ。 特定の文字列(バイト列)は文字のひとつの表現にすぎなくて、内部に 文字オブジェクトというのが存在するはずだから、 やっぱり<character>クラスに対応するものがあるべきのような気もする。 Gauche-CHISEやりたいが… ああいかん。〆切が。

(2003/02/28 18:50:19 PST) CinesiteがハリウッドオフィスのVFX部門を閉鎖するそうだ。 Centropolis, Square USA, Dreamquest, … CG関係者受難の時代か?

(2003/02/27 14:06:14 PST) Paul Grahamの新記事の日本語訳が出てた (yomoyomoさんとこより): http://www.blog.net/nerds-jp.htm

(2003/02/23 21:54:57 PST) Coding Challenge。(Devlog経由)
こういう処理:

 (call-with-input-string str port->sexp-list)

を、Rubyではどうやるか、という話。 RubyはRuby自身のreaderを使える機能ってないのかな。 readerとevalと分かれてると何かと便利だと思うのだけど。 (きっとすぐ誰かが作るだろう。 Rubyコミュニティのそのへんの速さはすばらしい)

(2003/02/23 02:24:05 PST) Paul Grahamの新記事、 「どうしてオタクはもてないか」。 今度は教育に切り込んでいる。んー、 言ってることはもっともなんだけど、切れ味がいまいちかなあ。

(2003/02/13 20:43:58 PST) ぐぁ。WiLiKi-0.3でRSS対応したので、複数のWiLiKiサイトから RSSを引っ張って来てまとめてRecentChangesを表示するスクリプトを試しに 書いていたら、スレッド絡みのGaucheのバグがぽろぽろ… スレッド絡みのバグは隠れてていきなり噛み付くからしんどいのう。

(2003/02/03 02:32:13 PST) 冬の日本に行くとかならず風邪を引いて帰ってくる。 軟弱になったかもしれない。時差ボケもあるかもしれないが、 夫婦共にとんでもなくずれた生活をしている。

International Lisp Conference 2002は当初「予稿集を作るから 論文は9月までに出してね」と言われていたのだが、当時それどころではなかったので 「当日のスライドを出すから勘弁して」と言ってOKを貰っていた。 でもそれもサボっていたのだけど、一昨日Lisaから「お願い!」メイルが 来てさすがに気に咎めたので、スライドを元にざくっと書いてみた。 LaTeX忘れまくり。出してない人は他にずいぶん居るみたいなんだが、 さて、はたしてILC2002の予稿集は実現するのだろうか (もう「予稿」じゃないな)。 チョサッケンとかうるさいことは言われなさそうなので、書いたものを http://practical-scheme.net/docs/ILC2002.pdf に上げておいた。


Last modified : 2013/05/01 22:34:18 UTC