R6RS:翻訳:R6RS:1.2 Expressions

R6RS:翻訳:R6RS:1.2 Expressions

1.2 式

Scheme のコードでもっとも重要な要素はである。式は評価し、値を生成することができる(実際には任意の個数の値を生成することができる。 R6RS:翻訳:R6RS:5.8 Multiple return values 参照)。もっとも基本的な式はリテラル式である。

#t         ⇒ #t
23         ⇒ 23

この表記は、式 #t が #t、すなわち、「真」の値に評価され、式 23 が数 23 を表現する数値オブジェクトに評価されることを意味している。

部分式のまわりに括弧を置くことにより合成式を作り出すことができる。最初の部分式が演算を決定し、残りの部分式はその演算の対象になる。

(+ 23 42)         ⇒ 65
(+ 14 (* 23 42))         ⇒ 980

この例の最初では + は足し算のための組み込み演算の名前であり、 23 と 42 は演算対象である。式 (+ 23 42) は「23 と 42 の和」と読む。合成式は入れ子にすることもでき、二番目の例は「14 と、23 と 42 の積の和」と読む。

この例が示すように Scheme では合成式は常に同一の前置記法を使って表記される。結果として構造を示すのに複数の括弧が必要になる。そのため、数学的な記法や多くのプログラミング言語ではしばしば認められる「余分な」括弧は Scheme では許されないのである。

他の多くの言語と同じく、空白(行末を含む)は式の部分式を分割する場合には意味を持たず、構造を表すために使うことができる。

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