12.1 binary.io
- バイナリI/O ¶
- Module: binary.io ¶
-
このモジュールは数値データを読み書きするバイナリ入出力用の基本手続きを提
供します。各データはポートあるいはユニフォームベクタ
(ユニフォームベクタ参照)から読み込み、あるいはそれらへ書き出すことが
できます。
構造をもつバイナリデータの入出力については、便利な
pack
ユーティリティがこのモジュールを使って実装されています
(binary.pack
- バイナリデータのパックを参照してください)。
スピードあるいはエンディアンの柔軟な制御などをやりたいときにこのモジュー
ルが使えます。
バイナリのブロック入出力についてはユニフォームベクタを参照してくだ
さい。
エンディアン ¶
このモジュールのほとんどの手続はオプション引数としてendian引数を
とります。これはbig-endian
、little-endian
、
arm-little-endian
のいずれかのシンボルでなければなりません。
エンディアン引数が省略された場合には、組込みパラメータdefault-endian
の現在値が使われます (エンディアンネス参照)。
(read-u8
の ような
8ビット入出力手続ではエンディアン引数は意味がありませんが、
一貫性のため受け入れるようにしてあります。)
ポートを用いたI/O ¶
- Function: read-u8 :optional port endian ¶
- Function: read-u16 :optional port endian ¶
- Function: read-u32 :optional port endian ¶
- Function: read-u64 :optional port endian ¶
{binary.io
}
それぞれ指定したエンディアンでportから8、16、32、64ビット符号無
整数を読み込みます。portが省略された場合は、現在の入力ポートが使
われます。portが整数の読み込みが完了する前にEOFに到達してしまっ
た場合にはEOFが返ります。
- Function: read-s8 :optional port endian ¶
- Function: read-s16 :optional port endian ¶
- Function: read-s32 :optional port endian ¶
- Function: read-s64 :optional port endian ¶
{binary.io
}
それぞれ指定したエンディアンでportから8、16、32、64ビット、2の補
数符号付き整数を読み込みます。portが省略された場合は、現在の入力
ポートが使われます。portが整数の読み込みが完了する前にEOFに到
達してしまった場合にはEOFが返ります。
- Function: read-uint size :optional port endian ¶
- Function: read-sint size :optional port endian ¶
{binary.io
}
さらに柔軟性が高く、sizeオクテットの符号無しあるいは符号付き整数
をportから指定のエンディアンで読み込みます。
portが整数の読み込みが完了する前にEOFに到
達してしまった場合にはEOFが返ります。
- Function: read-ber-integer :optional port ¶
{binary.io
}
X.209のBER圧縮形式整数を読み込みます。BER圧縮形式整数は128進符号無し整
数です。最上位桁が最初にきます。最下位桁のバイトをのぞき、すべてのバイ
トの最上位ビットはオンになっています。
- Function: write-u8 val :optional port endian ¶
- Function: write-u16 val :optional port endian ¶
- Function: write-u32 val :optional port endian ¶
- Function: write-u64 val :optional port endian ¶
{binary.io
}
それぞれ指定したエンディアンでportへ 8、16、32、64ビット、符号無
し整数として表現されている非負整数valを書き出します。
valはそれぞれ指定したビット数の範囲で表現できる値でなければなり
ません。portが省略された場合は、現在の出力ポートが使われます。
- Function: write-s8 val :optional port endian ¶
- Function: write-s16 val :optional port endian ¶
- Function: write-s32 val :optional port endian ¶
- Function: write-s64 val :optional port endian ¶
{binary.io
}
それぞれ指定したエンディアンでportへ 8、16、32、64ビット、2の補
数符号付き整数として表現されている整数valを書き出します。
valはそれぞれ指定したビット数の範囲で表現できる値でなければなり
ません。portが省略された場合は、現在の出力ポートが使われます。
- Function: write-uint size val :optional port endian ¶
- Function: write-sint size val :optional port endian ¶
{binary.io
}
さらに柔軟性が高く、sizeオクテットの符号無しあるいは符号付き整数
valをportへ、指定のエンディアンで書き出します。
portが省略された場合は、現在の出力ポートが使われます。
- Function: write-ber-integer val :optional port ¶
{binary.io
}
BER圧縮形式の非負整数valをportへ書き出します。
BER圧縮形式については前述のread-ber-integer
を見てください。
- Function: read-f16 :optional port endian ¶
- Function: read-f32 :optional port endian ¶
- Function: read-f64 :optional port endian ¶
{binary.io
}
それぞれ、16、32、64ビットの浮動小数点数を読み込みます。
32ビットはIEEE754単精度、64ビットは倍精度の浮動小数点数です。
16ビット浮動小数点数は、1ビットの符号、5ビットの指数、10ビットの仮数からなる、
HDRイメージフォーマット等に使われている形式です。
portが省略された場合には、
現在の入力ポートが使われます。portが数値の読み込みが完了する前に
EOFに到達してしまった場合にはEOFが返ります。
- Function: write-f16 val :optional port endian ¶
- Function: write-f32 val :optional port endian ¶
- Function: write-f64 val :optional port endian ¶
{binary.io
}
実数値valを、それぞれ16、32、64ビットの浮動小数点数として
書き出します。
portが省略された場合には、現在の出力ポートが使われます。
ユニフォームベクタを用いたI/O ¶
以下のルーチンでは、引数 uv は任意の型のユニフォームベクタをとり
えます。u8vector
ではない場合には (uvector-alias
<u8vector> uv)
が呼ばれたのと同様の扱いになります。すなわち、
uvectorの内容を保持するメモリイメージから直接読み込まれます。pos
引数は当該のメモリ領域の最初からのバイト位置を指定するのに使います(こ
れはユニフォームベクタの要素のサイズにかかわらず、つねにバイト位置です)。
- Function: get-u8 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-u16 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-u32 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-u64 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-s8 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-s16 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-s32 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-s64 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-f16 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-f32 uv pos :optional endian ¶
- Function: get-f64 uv pos :optional endian ¶
{binary.io
}
ユニフォームベクタ uv のバイト位置 pos から指定したフォー
マットで数値を読み込み、その数値を返します。指定した位置が当該ユニフォー
ムベクタの内容のある範囲外を参照するものであった場合、エラーを示すシグ
ナルがあがります。
- Function: get-u16be uv pos ¶
- Function: get-u16le uv pos ¶
- Function: get-u32be uv pos ¶
- Function: get-u32le uv pos ¶
- Function: get-u64be uv pos ¶
- Function: get-u64le uv pos ¶
- Function: get-s16be uv pos ¶
- Function: get-s16le uv pos ¶
- Function: get-s32be uv pos ¶
- Function: get-s32le uv pos ¶
- Function: get-s64be uv pos ¶
- Function: get-s64le uv pos ¶
- Function: get-f16be uv pos ¶
- Function: get-f16le uv pos ¶
- Function: get-f32be uv pos ¶
- Function: get-f32le uv pos ¶
- Function: get-f64be uv pos ¶
- Function: get-f64le uv pos ¶
{binary.io
}
これらは、get-*
手続のエンディアン(ビッグエンディアン be
あるいはリトルエンディアン le
)を指定した版です。スピードを要求
されるコードではオプション引数処理のオーバーヘッドを避けるためこちらを
使うのがいいでしょう。
- Function: get-uint size uv pos :optional endian ¶
- Function: get-sint size uv pos :optional endian ¶
{binary.io
}
ユニフォームベクタuvのpos番目のオクテットからsizeオクテットを、
それぞれ符号無し、符号つき整数として読み取ります。
(get-uint 3 '#u8(1 2 3 4) 1 'big-endian)
⇒ 131884 ; #x020304
(get-sint 3 '#u9(1 2 3 #xff) 1 'little-endian)
⇒ -64766 ; sign extended #xff0302
- Function: put-u8! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-u16! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-u32! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-u64! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-s8! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-s16! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-s32! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-s64! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-f16! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-f32! uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-f64! uv pos val :optional endian ¶
{binary.io
}
数値 val をユニフォームベクタ uv のバイト位置 pos か
ら指定されたフォーマットで書き出します。指定した位置が当該ユニフォーム
ベクタの内容のある範囲外を参照するものであった場合、エラーを示すシグナ
ルがあがります。
- Function: put-u16be! uv pos val ¶
- Function: put-u16le! uv pos val ¶
- Function: put-u32be! uv pos val ¶
- Function: put-u32le! uv pos val ¶
- Function: put-u64be! uv pos val ¶
- Function: put-u64le! uv pos val ¶
- Function: put-s16be! uv pos val ¶
- Function: put-s16le! uv pos val ¶
- Function: put-s32be! uv pos val ¶
- Function: put-s32le! uv pos val ¶
- Function: put-s64be! uv pos val ¶
- Function: put-s64le! uv pos val ¶
- Function: put-f16be! uv pos val ¶
- Function: put-f16le! uv pos val ¶
- Function: put-f32be! uv pos val ¶
- Function: put-f32le! uv pos val ¶
- Function: put-f64be! uv pos val ¶
- Function: put-f64le! uv pos val ¶
{binary.io
}
これらは、put-*
手続のエンディアン(ビッグエンディアン be
あるいはリトルエンディアン le
)を指定した版です。スピードを要求
されるコードではオプション引数処理のオーバーヘッドを避けるためこちらを
使うのがいいでしょう。
- Function: put-uint! size uv pos val :optional endian ¶
- Function: put-sint! size uv pos val :optional endian ¶
{binary.io
}
それぞれ符号無しまたは符号つき整数valを、
ユニフォームベクタuvのpos番目のオクテットからsizeオクテット分に
書き込みます。
互換性への注 ¶
read-u8
などは read-binary-uint8
と呼ばれていたもので、
read-f32
や read-f64
はそれぞれ read-binary-float
、
read-binary-double
と呼ばれていたものです。
これらの古い名前は後方互換のためいまのところサポートされていますが、使
用については非推奨とします。この変更は名前の短縮とユニフォームベクタと
の一貫性維持のために行われました。