Revised^6 Report on Algorithmic Language Scheme -- アルゴリズム言語 Scheme に関する報告書第6改訂版。 2007年9月に正式に決定された。正式な文書は http://www.r6rs.org/ から 入手できる。
R5RSまでのミニマリズムから、実用主義へ大きく方針変更がなされたため、 仕様の分量もR5RSの50ページからR6RSは全4部、計187ページへと大きく膨らんでいる (ただしコア言語の仕様は90ページ、あとはライブラリや設計上の選択の理由説明である)。 そのため、それまでのミニマリズムを良しとするSchemerと、実用に使えるリッチな 仕様を望むSchemerの間でたいへんな議論となった。
結局、Schemeコミュニティ内で投票が行われ、賛成67票、反対35票、棄権10票で 批准された。しかし、批准の基準である総投票数の60%以上の賛成という点では 僅差とも言える結果であるうえ、既存のScheme処理系作成者の多くが反対するなど、 なかなか厳しい結果となった。(ただし、これは必ずしもSchemeコミュニティ自体の 分裂を意味するわけではない)。
一気に分厚くなった仕様を読むのも骨だし、このような結果をどうとらえるか についてはいくぶんかの背景知識も必要だろうから、ここでまとめておくことにする。