R6RS:翻訳:Rationale:Unicode

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13 章 Unicode

13.1 大文字小文字の対応づけ

(rnrs unicode (6)) ライブラリの様々な大文字小文字対応の手続きはすべてロカールに依存しない方法で動作する。 Unicode 標準では (rnrs unicode (6)) ライブラリの手続きでは実装されていない、ロカールを意識した大文字小文字操作も提案している。このライブラリは Unicode 標準で定義されている大文字小文字関連の領域をすべて利用可能にしているわけではないが、もっとも一般的によく使われる手続きを提供しているのである。特に、この方針により R5RS で提供されていたものとほぼ互換性のある手続きを提供することができた(少数の例外は大文字小文字を無視した文字列比較手続きである。ただし、これが既存の多くのプログラムに影響を与える見込みはない)。ロカール意識した操作を提供することは大きな前例のない今までにない大きな設計上の試みを意味し、そのために R6RS の一部にはならなかったのである。

文字上の大文字小文字操作手続きは文字列の大文字小文字対応を実装するには充分ではない。例えば、ドイツ語の「ß」の文字列中での大文字版は「SS」である。 char-upcase は単一の文字だけを返すことができるので、 ß には ß を返さなければならない。これにより文字を操作する手続きの有用性が制限されているが、既存の大くのアプリケーションに充分な R5RS 互換性を提供している。さらに、 Unicode 文字データベースの対応する属性への直接アクセスも提供している。


Last modified : 2008/04/04 08:23:25 UTC