本報告書はプログラミング言語 Scheme の定義を与えるものである。 Scheme は Guy Lewis Steele Jr. と Gerald Jay Sussman によって考案された、静的スコープ、真正末尾再帰の Lisp の一方言である。 Scheme はこの上なく明解で単純な意味論を持ち、式を構成する異なる方法をごく少数しか持たないように設計された。Scheme では、関数型、命令型、メッセージ受け渡しスタイルといった幅広い様々なプログラミング上の理論が便利な表現法であることがわかった。
この報告書には標準ライブラリについて説明する報告書も別添されている [24]。それに対する参照は「ライブラリの~節」「ライブラリの~章」といった表現で示す。非規範的な付録を収めた報告書も別添されている [22]。 4 番目の報告書はいくらかの歴史的背景と、言語本体とライブラリの様々な側面の理論的根拠を述べたものである [23]。
上に挙げられた個人だけが本報告書の本文の著者のかぎりというわけではない。次の人々は、長年にわたって議論に参加し Scheme 言語の設計に寄与し、過去の報告書に著者として挙げられてきた。
Hal Abelson、 Norman Adams、 David Bartley、 Gary Brooks、 William Clinger、 R. Kent Dybvig、 Daniel Friedman、 Robert Halstead、 Chris Hanson、 Christopher Haynes、 Eugene Kohlbecker、 Don Oxley、 Kent Pitman、 Jonathan Rees、 Guillermo Rozas、 Guy L. Steele Jr.、 Gerald Jay Sussman、 Mitchell Wand。
近年の貢献を強調するために、彼らを本報告書の著者として挙げることはしなかった。それでもなお、彼らの貢献と尽力は感謝をもって迎えられるものである。
我々はこの報告書が Scheme コミュニティ全体に属するものであるとし、その全体ないし一部を無償で複製することを許可する。特に、 Scheme の実装者たちがこの報告書を必要に応じて改変しマニュアルやその他の文書の下地とすることを強く望むのである。