一般に、 log、 sin^-1 (逆正弦)、 cos^-1 (逆余弦)、 tan^-1 といった超越関数は多価関数として定義される。 log z の値は虚数部が -π (-0.0 が区別される場合にはこれを含む。それ以外の場合は含まれない)から π である。 log 0 は未定義である。
実数以外に対する log z の値は実数に対する log を使って次のように定義される。
ここで angle z は z = a・e^(ib) であり次のように規定される。
angle z = b + 2πn
このとき、 -π ≤ angle z ≤ π であり、ある整数 n について angle z = b + 2πn である。
このようにして 1 引き数の log を定義すると、 2 引き数の log、 sin^-1 z、 cos^-1 z、 tan^-1 z、 2 引き数の tan^-1 は次の公式に従う。
log z b = (log z/log b) sin^-1 z = -i log (i z + (1 - z^2)^(1/2)) cos^-1 z = π / 2 - sin^-1 z tan^-1 z = (log (1 + i z) - log (1 - i z)) / (2 i) tan^-1 x y = angle(x + yi)
tan^-1 x y の値域は次の表の通りである。星印(*)はその項目が -0 を区別する実装系に適用されることを示している。
y の条件 | x の条件 | 結果 r の範囲 | |
y = 0.0 | x > 0.0 | 0.0 | |
* | y = + 0.0 | x > 0.0 | + 0.0 |
* | y = - 0.0 | x > 0.0 | - 0.0 |
y > 0.0 | x > 0.0 | 0.0 < r < (π/2) | |
y > 0.0 | x = 0.0 | (π/2) | |
y > 0.0 | x < 0.0 | (π/2) < r < π | |
y = 0.0 | x < 0 | π | |
* | y = + 0.0 | x < 0.0 | π |
* | y = - 0.0 | x < 0.0 | - π |
y < 0.0 | x < 0.0 | - π< r < - (π/2) | |
y < 0.0 | x = 0.0 | - (π/2) | |
y < 0.0 | x > 0.0 | - (π/2) < r< 0.0 | |
y = 0.0 | x = 0.0 | 未定義 | |
* | y = + 0.0 | x = + 0.0 | + 0.0 |
* | y = - 0.0 | x = + 0.0 | - 0.0 |
* | y = + 0.0 | x = - 0.0 | π |
* | y = - 0.0 | x = - 0.0 | - π |
* | y = + 0.0 | x = 0 | (π/2) |
* | y = - 0.0 | x = 0 | - (π/2) |