Gaucheをインストールすると、Gaucheでの開発に役立ついくつかの補助プログラムも インストールされます。
gauche-config
インストールされたGaucheのコンフィグレーションパラメータを問い合わせるプログラムです。
gauche-package
拡張パッケージマネージャ。拡張パッケージをインストールし、またインストールされた 拡張の設定を問い合わせることができます。 自分で新たな拡張を書く際にも使えます。
gauche-install
install
プログラムの代替。Gauche拡張モジュールは、システムのinstall
コマンドのかわりにこのプログラムを使えば、プラットフォームごとの細かい違いを
気にする必要がなくなります。
gauche-compile-r7rs
このプログラムはGaucheスクリプトから実行可能バイナリを作るのに使えます。
gauche-cesconv
さらに、Gaucheのconfigure時に--enable-shared-commands
を渡すと、
以下のプログラムも追加でインストールされます。
scheme-r7rs
scheme-srfi-0
scheme-srfi-7
これらはSRFI-22で推奨されているSchemeインタプリタの標準名です。
gosh
へのシンボリックリンクになります。
compile-r7rs
これはSRFI-138で推奨されているSchemeコンパイラ名です。
gauche-compile-r7rs
へのシンボリックリンクになります。
これらの名前はScheme界で共通のため、他のScheme処理系が同じ名前のプログラムを既に インストールしているかもしれないことに留意してください。
• 設定を問い合わせる: | ||
• 拡張パッケージの管理: | ||
• ファイルのインストール: | ||
• スクリプトのコンパイル: |
gauche-config
- 設定を問い合わせる ¶オプションを与えずに起動すると使い方を表示します。 オプションを与えると、configure時にそのオプションに結び付けられた文字列を 表示します。
いくつか例を示します。実際に表示される文字列はプラットフォームによって異なります。
$ gauche-config --arch x86_64-pc-linux-gnu
$ gauche-config -l -lgauche-0.98 -lmbedtls -lcrypt -lrt -lm -lpthread
$ gauche-config -I -I/usr/lib/gauche-0.98/0.9.15/include
コマンドは以下のコマンドライン引数を取ります。ひとつだけ指定できます。
一般のパラメータ:
現在のGaucheのバージョン
Gaucheを使ったアプリケーションのコンパイルのためのパラメータ:
Gaucheを使ったプログラムをコンパイルするのに必要なインクルードパスオプション (Gaucheのインストール先のパスが空白を含んでいる場合、これは 使えません。下の–incdirsを見てください。)
Gaucheを使ったプログラムをコンパイルするのに必要なライブラリパスオプション (Gaucheのインストール先のパスが空白を含んでいる場合、これは 使えません。下の–incdirsを見てください。)
Gaucheを使ったプログラムをリンクする時に必要なライブラリオプション
このGaucheをコンパイルする時に使われたCコンパイラ名
Cプリプロセッサを走らせるコマンド
Gauche用のautoconfマクロがインストールされているディレクトリ名
現在インストールされているGaucheに使われたconfigureのオプション
autoconf形式のアーキテクチャシグネチャ (cpu-vendor-kernel-os)
それぞれ、インクルードファイルとライブラリファイルが探されるディレクトリのリスト。 各ディレクトリ名は、それが空白を含んでいる場合はクオートされています。また、 それぞれのディレクトリ名の間はUnixでは ’:’、Windowsでは ’;’ で区切られています。
これらは、追加のローカルヘッダファイルやライブラリファイルを探すために必要な ’-I’ および ’-L’ フラグのリストです。これらはconfigure時の ’–with-local’ オプションにより設定されます。追加のローカルディレクトリは、’-I’、’-L’、’–incdirs’ ’–arcdirs’ の出力にも含まれます。
ファイルをインストールするためのパラメータ:
configure時に設定されたディレクトリプレフィクス
それぞれ、システム/サイト/パッケージレベルの拡張モジュールヘッダファイルが インストールされるべきディレクトリ
それぞれ、システム/サイト/パッケージのSchemeファイルがインストールされる べきディレクトリ
それぞれ、システム/サイト/パッケージのDSOファイルがインストールされる べきディレクトリ
それぞれ、Gaucheのmanpageとinfoドキュメントがインストールされるべきディレクトリ
拡張モジュールをビルドするためのパラメータ:
コンパイルされたオブジェクトファイルの拡張子 (例: ’o’ や ’obj’)
実行可能ファイルの拡張氏(ピリオドを含む)。Unixシステムでは空文字列、 Windowsでは ’.exe’。
動的ロード(dlopen)可能なファイルの拡張子 (例: ’so’)
動的ロード可能なファイルを作るために追加で必要なCFLAGS
動的ロード可能なファイルを作るために追加で必要なLDFLAGS
動的ロード可能なファイルを作るために追加で必要なライブラリ
動的リンクされる (dlopenされるのではない) ライブラリファイルの拡張子。 通常は–so-suffixと同じだが、OSXでは ’dylib’。
動的リンクされるライブラリファイルを作るのに必要なLDFLAGS。
RPATHを埋め込むためのコンパイラフラグ
Gaucheをコンパイルする時に使われたCFLAGS。拡張モジュールをコンパイルする時にも 同じフラグを使うべき。
Cプリプロセッサに渡されるコンパイラフラグ
Gaucheを静的リンクする時に必要なリンクフラグ (’-llib’) のリスト。 ’-l’ と似ているが、これは拡張モジュールが必要とするライブラリ、 及びGaucheの静的ライブラリ本体(’-lgauche-static-X.X’)を含んでいる。
動的リンクされるlibgaucheのbasename
gauche-package
- 拡張パッケージの管理 ¶This command can be used to build and install Gauche extensions,
query installed ones, and help start building new ones.
It has several subcommands, which can be listed with
gauche-package help
.
gauche-install
- ファイルのインストール ¶このコマンドはファイルをインストールするのに使えます。
BSDのinstall
コマンドの上位互換になっているので、
install
コマンドをそのまま置き換えることができます。
最初の3つの形式はinstall
コマンドと同じ動作です。
1番目と2n番目の景色は、fileをdest(ファイル名)もしくは
dir(既存のディレクトリ)へとコピーします。
パーミッションやオーナー情報も指定できます。
cp
の上位版と考えても良いでしょう。
3つ目の形式は、dir …が無ければそれを作ります。
mkdir -p
の上位版と考えても良いでしょう。
4番目の形式は、file …をdirにコピーします。 2番目の形式とおn大きな違いは、fileが相対パスが指定された場合に、 その相対パスが保存されることです。つまり、次のコマンドを実行すると:
gauche-install -T /usr/local/mytool foo.scm bar/baz.scm
/usr/local/mytool/foo.scmと
/usr/local/mytool/bar/baz.scmが作られます。
2番目の形式では、インストール先にサブディレクトリbar
が作られません。
この形式はサブディレクトリを持つファイルツリーをまるごとインストールするのに便利です。
5番目の形式は、-T
でインストールされるであろうファイルを
アンインストールします。-T
を-U
に変えるだけで
アンインストールできます。
次のコマンドライン引数が認識されます。
インストールされるファイルが拡張子.sciを持っていた場合、 それを.scmに置き換えます。これはGauche特有のオプションです。
ファイルをdir以下にインストールします。ディレクトリがまだ無ければ作ります。 ファイルの相対パスは保存されます (4番目の形式のみ)。
-T
の動作を元に戻します。つまり、指定のファイルをdirから
取り除きます。
file …をdirの下から探します。
VPATH
を使う場合に便利です。
ファイルの内容の先頭に#!path
を追加します。
スクリプトをインストールするのに便利です。
指定のディレクトリを作詞絵します (3番目の形式のみ。)
インストールするファイルのパーミッションを指定します。
file …の相対パスから、prefixと一致するプレフィクスを 取り除いてインストールします (4,5番目の形式のみ。)
インストールするファイルのオーナーを指定します。
インストールするファイルのグループを指定します。
冗長なメッセージを出します。
どういうアクションが実行されるかを出力しますが、実際に実行はしません。
gauche-compie-r7rs
- スクリプトのコンパイル ¶For Gauche-specific programs, we have tools/build-standalone
Scheme
script (see スタンドアロン実行可能ファイルの作成). We recommend
that script, for it is more featureful.
The gauche-compile-r7rs
and compile-r7rs
script is provided
so that you can invoke a ’Scheme compiler’ with a standardized manner.
It may be handy if other tools (e.g. IDE) need to invoke a Scheme
compiler as a subprocess.
This interface is defined in SRFI-138, which also suggests the name
compile-r7rs
. We only install gauche-compile-r7rs
by
default so that we won’t accidentally clobber other implementation’s
program, but if you give --enable-shared-commands
option to
configure
script, a symbolic link compile-r7rs
is created.
Compile a Scheme source file script.scm
and produce an
executable binary. The compile-r7rs
is only installed
if Gauche is configured with --enable-shared-commands
.
Note: SRFI-138 states that if the environment variable
COMPILE_R7RS
is defined, it is assumed to a pathname of another
program and is executed instead of Gauche’s compile-r7rs
.
We think the feature is rather confusing than convenient, so we
don’t support it. If you want to run alternative implementation’s
compiler, there are more explicit means such as running it directly
or change PATH
.
The following command-line arguments are recognized.
Prepend or append path to the path list the referenced libraries are searched. These options can be specified multiple times.
Specifies output executable filename. When omitted, a.out
(on POSIX systems) or a.exe
(on Windows) are used.
Adds feature-id
to the list of feature identifiers.
This is to switch code conditionally in the source with
cond-expand
.
This option can be specified multiple times.
Note that this does not enable certain features. So you
shouldn’t specify system-reserved feature identifiers
(see プラットフォーム依存の機能). This is also different
from -D
option of tools/build-standalone
.